2017年1月私は、ヌック官水腫の手術を受けました。
『何?!ヌック官水腫って?』思いますよね。
いや、スミマセン。。看護師の私も自分がなるまで知りませんでした。
ヌック官水腫についてと私の体験を書いています。
同じ病気の方の参考になれば(/・ω・)/
ここでお勉強ヌック官水腫とは?
Nuck管水腫ともいう。
Nuck管とは女性の胎生期に存在する鼠径部(腿の付け根)のことです。
本来は出生とともに速やかに消退していくものですが、遺残する人もいます。
それが嚢腫、水腫と呼ばれる袋となり内部に液体を伴うようになり大きくなると、体の上からから気づくようになります。
成人では20代~40代の女性に多くみられますが、鼠径ヘルニアとの混同や誤認で、正確な実数把握はわからないようです。
鼠径ヘルニアとヌック管水腫は親戚のような疾患です。男性の場合は精索水腫と言います。
ヌック官水腫の診断
①触診
身体の表面からは鼠径部の膨らみがあります。鼠径ヘルニアとの区別がつかないこともある。
②画像診断装置(CT、MRI、超音波)
液体が描出できれば疑われますが、女性の場合、月経に連動して腹水が増え、鼠径ヘルニアのヘルニア嚢に腹水が流れ込むことでも同じような像になる。
純然たるNuck管水腫なのか鼠径ヘルニアなのか断定ができないこともよくあります。
両者の併存例にもしばしば遭遇しますし、鼠径部子宮内膜症がみつかることもあります。
ヌック官水腫の治療
①穿刺吸引
注射針で内部の液体を吸い上げることです。一時的には症状はよくなりますが、すぐに元に戻ってしまうことが多いので根治治療にはなりません。
②手術
嚢腫の開放・除去を行います。解剖学的には鼠径ヘルニア治療に準じた術式です。
実際に、鼠径ヘルニアの併存もしくは将来的な発生が予見される場合はメッシュを使用することもあります。
鼠径部切開でも腹腔鏡でも根治的な手術は可能ですが、後者のほうがキズが小さく痛みも少ないため女性の患者様に好まれる傾向があります。
鼠径部子宮内膜症が併存する場合は鼠径部の切開が必須とされることもあり、事前に医師に確認したほうがよいと思います。
ヌック官水腫手術の内容
ヌック管水腫は内臓のとび出しを伴わないので、「水ぶくろ」だけを切除するわけですが、必要に応じて穴の補修も行う事があります。
ヌック管水腫は子宮円索(えんさく)に沿って存在します。癒着していた脂肪、肉芽(にくげ)組織、その他のものを水ぶくろと共に切除することもあります。
ヌック管水腫をきっかけに卵巣癌が発見されたということも稀にあるそうです。
切除した組織を病理診断(顕微鏡検査)することによって、確定します。(1-2週間かかります。)
ヌック官水腫 術後経過
鼠径ヘルニア手術と手技は同じです。術後しばらく鼠径部の腫れがありますが、次第によくなります。
再発頻度は低いと思われます。鼠径ヘルニア併存の場合はその再発はないとは言いませんがほとんどないようです。
私のヌック官水腫手術の体験談
私の場合手術の1年前からなんか右下腹部に洗濯カゴとか、物を持った時に当たってなんとなく痛いな。。。ぐらいでした。
場所は右の恥骨の上辺り、恥骨の骨の上です。
しばらく気のせいにして、ほっておきました。だって、子宮じゃないし(外側だし、急を要さないかなと・・看護師なのにこれですよ…(-_-;)
でも、だんだん確実に当たるし、寝て触った時に『ん??!・・なんかある!』と確信して、それからは自分で調べたんですけど、何かの病気かも分からなくて仕方ないから話しやすい医者に相談したら、「婦人科じゃなさそうだね、外科に受診してみれば?」と言われ、そうだよね。ということで外科の先生のとこへ・・
検査の実際
触診~超音波エコーで直ぐに「ヌック水腫だね」と言われて、詳しく見るためにCTの造影検査をしました。
CT造影は造影剤を入れて検査します。自分の勤めている病院で初めて造影剤入れての検査。太い20Gといわれるサーフロ針をつかって血管確保をします。入ったらまず普通にCT撮影。次に一気に造影剤が機械で押されて入ります。体が熱くなり特に手足の先、恥骨の辺りも熱くなり一瞬お漏らししてしまったと思う感覚でした。患者さんが「凄く変な感じね」と感想を言ってる意味がわかりました^^;
結果と決断
CT造影の結果、ヌック官水腫の診断が。。。約2㎝。先生は「小さいうちに手術しちゃえば?」と簡単にいいます。
でも、私は別に触らなければ痛くないし、と直ぐ手術は考えませんでした。
しかーし!だんだん触らなくても違和感が出てきて突っ張るような鈍痛が・・
やっぱりとってしまおう!と決断(大袈裟な・・笑)
自分の勤めている病院でしましたよ~^^:
局所麻酔の1泊入院です。私は手術室にも入りますので手術の内容が分かってしまうのが、良いような悪いような。。。
手術は鼠径ヘルニアの手術と同じ主技で行う。メッシュも使う。取った水腫は念のために病理検査にだすとのこと。
※腹腔鏡手術が実施できる病院であれば全身麻酔で行う所が今は多いと思います。
手術日
手術当日、出勤のように病院へ(;^_^A・・・入院。点滴施行。
手術室から今日の担当看護師が訪問にきました。といっても私の手術室の先輩プリセプター^^;
自分で剃毛したので「これでいいかな?^^」と確認したもらう、OK。
もちろん昼は絶食。
午後、入室時間に、歩いて手術室へ。
よく知っている手術室へ進み自分で台に乗る。
やっぱり緊張します。(看護師として不安の緩和という面で勉強になる)
手術開始、水腫のある周辺に麻酔をします。まな板の鯉とはこのこと。
私の担当の看護師さんがずっと近くで心配してくれて、麻酔の時、肩をそっとおさえてくれて安心しました。
局所麻酔は歯医者さんで抜歯の時に使う様な、一部の痛みをとるだけ。
なので、途中つまんだり、引っ張ったりするのは分かって変な感じ。
先生が「点滴からペンタジン入れてあげて」と聞こえる。ペンタジンは痛み止め。
静脈注射なので、直ぐに効いてきた。私の場合は酔っぱらったみたいにいい気分!ペンタジンハイになりました^^;
退室、ペンタジンが入ったのでここから退室までは、もうろうとして・・・後で聞いたら帰りは車イスだったそうです。
病室について眠くて2,3時間寝たのかな。
夕飯は出たけど食欲なし!夜、また抗生物質の点滴して、痛み止めも飲んでと言われて飲む。そして点滴抜針。就寝。
手術後
術後1日目、大変なのはここからでした。朝、トイレに行きたいんだけど痛くて起き上がれない!!(>_<)!!
まずやっと、脚おろしてベットに座る。そして立つ・・・立てない^^;痛すぎる。
まじか・・・とショック受けましたよー。旦那には局所麻酔だし一人で大丈夫。なーんて言ってしまいましたし。『私、こんなで、運転して帰れるかな?!』と。
何とか、一歩ずつ歩くけど、手術した創部が熱くギューと痛くて、やっとトイレに行きました。歩く貞子みたい。どうやら内出血があってそれで痛かったみたいです。傷の周辺は青紫になってました。
退院は内服の痛み止め(あんまり効かない!)飲んで何とか家に戻って、創部が熱い感じだったので、ひたすらケーキに付いてくる保冷材で冷やしましたよ。
確か思いだすと手術後、丸2日はかなり痛かったです。
傷は4㎝位、私の水腫は2㎝弱なので、先生小さい視野の中で頑張ってくれました(;^_^A
4日後には仕事の予定で、変な歩き方だったけどまぁ、何とか出来ました。
1週間は歩き方が変だったと思います。内出血は血腫にならずにすみました。(2日間冷やしたおかげかも)
1、2か月は鈍痛でしたが痛み止めを飲むほどではなく経過。病理結果も特に問題なかったです。
半年経ったころ、創部がメスを入れた線の一部が赤くなり受診しました。
毛穴からばい菌が入ったのか綿棒の先ほどの膿がでました。痛かった~汗。
ゲンタシン軟膏(抗生物質がはいった軟膏です)を1週間ほど塗って治りました。
後はほとんど、痛むこともなくストレッチしても、なんともなかったです。
手術から1年3か月経ちましたが、今は何ともないです。
追記、現在4年経過、傷は跡形もなく、下の毛(陰毛)の中です(笑)
痛みもなく、運動も何の心配もないです。
この経験は、患者として思うことと、看護師として良い体験だったと思うことがあり、結果良かったです^^
貴重な体験でした。
同じ病気の方の参考のなれば。
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