
私は乳腺外来のナースをしていますが、がんのしこりとは違うできもので来院する方結構います。
胸の周辺に1~2㎝(もっと大きいひともいます)のできものが出来たと言って受診する患者さん。「表面に何かできて、最近赤くはれてきました」と、いいます。これは細菌感染が起こった状態で感染性粉瘤と言われるものでした。赤くはれ上がって痛みを伴います。
粉瘤(ふんりゅう)アテロームとも言います表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)
原因 はなんでしょう?
毛表皮と呼ばれる皮膚の最も表面の層が、
何らかの理由で真皮部分に入り込みそれが袋状になって内部に老廃物を溜め込んだ状態です。
表皮細胞というのは常に新陳代謝を行っていますので、
それが袋状になると内側に新陳代謝の結果の老廃物が溜まってしまうことによります。
そしてこの新陳代謝が進むに従って腫瘍は大きさを増してゆきます。
穴の一部分の組織が皮膚の深いところで、袋状になったものが多い。
この場合は、皮膚の表面に開口部を持つことが多く、「絞り出すと、白いあぶらの様なものが出ていたが、出なくなって、ふくれてきた。」と言う人がそうです。
もちろん、知らないうちにしこりが出来て、急に大きくなってくる場合もあります。
多発する場合は生まれつきの(先天性)体質によるもので、耳たぶ、 脇の下、お尻などに多発しやすいみたいですね。
治療法はどうするの?
感染症状が軽い場合は、抗生物質の内服で対処します。
これだけで炎症が消退することもあります。
一方、症状が重い場合や抗生物質でも炎症が進行してしまった場合は「切開排膿」と言って、腫れた部分にメスを入れて中の膿を出す必要があります。
膿を出してしまうと症状は急速に落ち着きますが、数日間は膿や浸出液の排泄がありますのでガーゼ交換が必要です。
化膿して、赤く腫れ上がる時は、抗生剤を飲んだり、切開して中の膿を出す必要があります。
切開して中身だけを出しても、袋が残っているので、いずれ手術してとります。
小さいうちに手術で袋ごと取り出すことを勧めます。
袋を取り残すと再発します。
自然に治ることはないので、小さいうちに手術した方が、大きくなって手術するよりも傷あとも小さく、術後の痛みも少なく、手術代金も安くてすみます。
まとめ
粉瘤と言われたら、早い時期の病院受診、皮膚科か、外科へ行くことをおススメします。
大きい場合は、早めに手術になります。
ごく稀に巨大化すると手術も大変になりますし、費用もかかりますよ。
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