
未就学児の子供さんで頭痛を訴えている時、皆さんはどの病院に行きますか?
小児科?それとも脳外科?
私は6歳の子供がいるのでお母さんの気持ちもわかりますし、脳外科の外来にもいますので頭痛で実際に受診に来るお子さんも見ています。
その立場から、皆さんの役にたてればと今回まとめてみました。
子供の頭痛の原因
子どもの体調をよく観察することが大切です。
子どもの頭痛が起こる病気をあげてみました。
未就学児で発熱を伴う場合の頭痛の原因
ここでは頭を打っていない事が前提です。
子供が頭を打った時は↓こちら↓の記事も参考にしてください。
子供が頭を打って吐いた!どう対処すればいい?病院は行くべき?
♦風邪やインフルエンザなど
未就学の子供の頭痛では、ほとんどが重大な病気ではない事が多いです。
多いのは「風邪のはじまり」が原因のことが多いです。
頭痛のほか、発熱・関節痛・のどの痛み・腹痛
風邪や冬の多いインフルエンザの始まりに発熱と同時に、または発熱の前に頭痛から始ま
る時もあります。
ノロウイルス感染症の時も頭痛を訴えることがあります。
溶連菌感染症なども頭痛を伴うことがあります。
♦慢性副鼻腔炎
鼻の奥の副鼻腔という場所に、慢性的に膿がたまっている状態です。
頭痛の他、鼻づまり・鼻水が臭う・頭が重い・炎症起こすと発熱
風邪を引いた後に長引く鼻水、鼻づまりが続きます。
膿なので嫌な臭いも感じることがあります。
膿により炎症が起こると熱も出ますし、頭痛を感じる場合があります。
頭が慢性的に重いような痛みが出ることもあります。
♦中耳炎
子どもは耳管(耳と鼻をつなぐ)が短いのと、子供の頃は真っすぐなので風邪をひくと菌が鼻から耳に入りやすく中耳炎になりやすいです。
頭痛の他、耳が痛い・耳が聞こえにくい・耳を気にする・ひどくなると発熱
急性期は耳がとても痛くなるので頭が痛いという子供もいるようです。
♦髄膜炎
脳の周りをおおっている髄膜(ずいまく)に様々な病原体によって炎症が起こります。
38℃以上の高熱・激しい頭痛・繰り返す嘔吐・乳幼児なら機嫌が悪い・けいれん
意識が無いなどの意識障害・首が痛くて前に曲げられない
等の症状が出ます。
髄膜炎は2種類
・無菌性髄膜炎は原因はウイルスであることが多く、特効薬はありません。対症療法をしていきます。
・細菌性髄膜炎は、細菌が血液に侵入して、血液から髄膜に侵入することで髄膜炎を起こします。細菌による髄膜炎で、治療が遅れると死亡例や後遺症を残すことが多いです。
細菌性髄膜炎は、副鼻腔炎や中耳炎が原因で起きることもあります。
♦急性脳炎
風邪をこじらせたり、免疫力が低下していると、病原菌が脳内に入り込んだ場合を「脳炎」といいます。髄膜炎と同時に起こる事もあります。
頭痛の他、発熱・嘔吐・けいれんなど髄膜炎と似た症状
何科に行くべきか?
♦小児科がいい場合
基本は小児科を受診しましょう。
子供でも酷い頭痛だと専門の脳神経外科の方が良いのかなと思いますよね。
しかし、脳神経外科だと、小児のことは専門外です。
小児科の医師がもっと専門的に見て貰う必要があるとうい判断をすると
紹介状を書いてくれますので、まずは小児科です。
発熱があり嘔吐したら早めに小児科に受診しましょう。
土日や夜間の場合は意識がぼんやりしてきた、けいれんを起こした時は急を要することもあるので救急外来へ受診する、意識がはっきりしない時は救急車を呼んでください。
♦耳鼻咽喉科でいい場合
頭痛と一緒に鼻や耳の症状があるけど発熱はない時は耳鼻咽喉科でもいいかもしれません。
耳鼻咽喉科でも必要ならまた違う専門を紹介してくれます
♦脳神経外科でいい場合
未就学児の子供の場合は小児科ですが、小学生になって時々出る片頭痛や緊張性頭痛というものもあります。
発熱はありませんが、ひどい痛みのために吐くことがあります。
この場合はCTやMRIを撮影をして、頭痛なのか?それとも重大な病気(脳腫瘍など)があるのかを診る必要があります。
最近は小学生でも、いわゆる「頭痛持ち」の子供が多くなっています。
仮病ではなく本人はつらい症状なので、脳神経外科へ行き診断してもらい、適切なお薬をもらうと楽になります。
頻繁に頭痛を訴えるようでしたら、脳神経外科へ受診してください。
まとめ
基本は未就学児は小児科です。
色々な病気から頭痛は起こりますので、おうちの方が良く観察して
緊急性の高い症状がある時は、小児科へ受診しましょう。
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